高卒認定試験は、学歴に関係なく正規の資格を取得できることが大きなメリットです。また、高卒資格を持っていることで就職や転職活動の際にも、より有利な立場になることができます。
しかし、試験内容や受験方法、合格率などについてはまだまだ知られていないことが多いですよね。
受験する前には、詳しく情報収集することが大切です。
本記事では、高卒認定試験を取得するメリットや、受験前に知っておくべきポイントを解説します。合格への準備や対策に役立つ情報も盛り込んでいるので、高卒認定試験を受験しようと考えている方は必見です。
高卒認定試験を取得するメリット
高卒認定試験を取得する意味・メリットには以下のようなものがあります。
大学・短大・専門学校の受験資格が得られる
高卒認定試験に合格すると、高等学校卒業者と同等以上の学力があると認定されます。そのため、大学・短大・専門学校の受験資格を得ることができます。
国家資格や公務員試験の受験資格が得られる
高卒認定試験に合格することで、一部の国家資格や公務員試験の受験資格を得ることができます。例えば、国家公務員の一般職や税務職員などが挙げられます。
高卒が必要な民間企業に就職できる場合がある
高卒認定試験に合格することで、高卒が必要な民間企業に就職できる場合があります。また、高卒認定試験に合格した場合、一定の学力があると認められ、採用において有利になることもあります。
短期間で学歴を得ることができる
高卒認定試験は、高校卒業に必要な3年間の就学期間を必要とせず、1回の受験で学歴を得ることができます。また、自分のペースで学習することができるため、勉強する期間を短縮することができます。
時間・お金を節約できる
高卒認定試験に合格することで、高校卒業に必要な3年間の就学期間や高校の学費を節約することができます。また、通信教育や予備校などの受講費用も、高校の学費よりも比較的低く抑えられます。
高卒認定試験とは？
高卒認定試験とは、文部科学省が実施している国家試験の一つで、高校卒業程度の学力を持つことを証明する試験です。
高校に進学せず、中卒である場合や、高校を中退した場合、または海外の教育機関で学んでいる場合などでも受験することができます。
高卒認定試験は16歳以上が受験できる
高卒認定試験の受験資格は、受験する年度の3月31日までに満16歳以上の方で、高校に進学していない場合、中卒以上であることが必要です。また、高校を中退した方や、現在不登校の方、外国籍の方でも受験することができます。
高卒認定試験は年2回実施している
高卒認定試験は、1年に2回（8月と11月）実施されます。
高卒認定試験の受験は8科目以上
高卒認定合格に必要な科目は、8科目以上で、「必須科目」と「選択科目」があります。
選択科目で何を選ぶかによって、最大で10科目受験する必要があります。
| 教科 | 試験科目 | 合格要件 |
|---|---|---|
| 国語 | 国語 | 必須 |
| 数学 | 数学 | 必須 |
| 外国語 | 英語 | 必須 |
| 地理歴史 | ・世界史A ・世界史B | どちらか必須 |
| ・日本史A ・日本史B ・地理A ・地理B | 4科目のうちいずれか1科目 | |
| 公民 | ・現代社会 ・倫理 ・政治・経済 | 以下の①②のどちらか ①現代社会（1科目） ②倫理と政治・経済（2科目） |
| 理科 | ・科学と人間生活 ・物理基礎 ・化学基礎 ・生物基礎 ・地学基礎 | 以下の①②のどちらか ①科学と人間生活＋その他1科目（合計2科目） ②物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎のうち3科目（合計3科目） |
高卒認定試験は意外に簡単
難易度はそれほど高くない
高卒認定試験の難易度は、高校1年生程度の学力があれば合格できる程度であり、非常に難しい試験ではありません。試験問題は、基本的に素直な知識問題であり、難解な問題やひっかけ問題は出題されません。
書き込み式の問題は出題されず、全てマークシート方式で回答します。選択肢は科目によって異なりますが、4択～6択程度の範囲内で出題されます。
また、1度に全ての科目を合格する必要はなく、1度に合格した科目は次回から受験する必要がありません。
合格ラインは40点前後
高卒認定試験の合格点は、一般的に40点前後です。
文部科学省は合格最低点を公表していませんが、過去の傾向から、38点から45点が合格ラインとされています。ただし、合格点を取るためには全科目で一定の得点を取る必要があります。
高卒認定試験は科目ごとに試験があり、1科目でも合格することができます。また、受験者が合格した科目数に応じて「合格科目数」という表現が用いられます。全科目合格者の合格率は約40％であり、1科目以上合格する合格率は約90％です。
高卒認定試験の勉強方法
高卒認定試験の勉強法について、いくつかのアプローチがあります。
教材を使って学習する
高卒認定試験の科目ごとに、参考書やテキスト、問題集が出版されています。これらの教材を活用し、自分のペースで学習することができます。ただし、自分で学ぶためには、時間管理や学習計画を立てることが重要です。
高卒認定試験の講座を受講する
高卒認定試験を専門的に扱う予備校や学習塾では、高卒認定試験の講座を開講しています。講師による解説や、定期的なテストや模擬試験で学習の成果を確認することができます。
オンライン学習を活用する
高卒認定試験に特化したオンライン学習サービスもあります。これらのサービスでは、参考書やテキストを活用した学習のほか、動画講義や問題演習、模擬試験などが提供されます。また、アプリやスマートフォンでいつでもどこでも学習できるため、自分のペースで学習することができます。
